さて、若手獣医師ダイアリー2回目の投稿です。
今回のテーマは、
「先生」と呼ばれる1年目獣医師の苦悩
です。
若手、中堅、ベテラン
全ての獣医師に1年目がありました。
獣医師はじめ、医歯薬系の職業は「先生」と呼ばれることが多いと思います。
本当に昨日までは学生だったのに、就職して1日目から「先生」と呼ばれます。
院長、先輩獣医師、愛玩動物看護師、トリマー、受付、事務
どれだけ年齢が上のスタッフからも、「先生」と呼ばれます。
当たり前のことですが、当時は非常に衝撃を受けました。
院長や先輩獣医師は、1年目で何もできない、右も左も分からないということを知っていますので、
基本的に無茶なお願いをされることはありません。
しかし、そのほかのスタッフは違います。
看護師さんから、
「先生、この症例の採血お願いしてもいいですか?」
受付さんから、
「先生、この薬とこの薬は一緒に飲んでいいのか、飼い主さんから聞かれています。どう答えたらいいですか?」
こんな感じで、1人の獣医師として接してきます。
確かに、6年間勉強して、卒業の条件を満たして、国家試験に合格して、
社会に出れば皆さん立派な「獣医師」です。
しかし、当然最初は何もできませんよね。
獣医師は、医師と違い研修医制度がありません。
医師は、獣医師と同様6年間の勉強を経て、さらに初期・後期研修合わせて5年もの期間を経て、ようやく一人前に医師として働き出します。もちろん1年目から「先生」と呼ばれてはいますが、明確に「研修医」という注意書きが加えられています。
獣医師は研修医という言葉がないからこそ、一括りに「先生」と呼ばれてしまいます。
これで苦労している若手獣医師の「先生」方は多いのではないでしょうか?
- スタッフや飼い主からしたら、同じ獣医師なので言い訳も通用しない
- スタッフからは、「こんなこともできないのか?」という目で見られる
- 飼い主からは、「先生なのに頼りにならない」と指名を変更される
こんな感じですよね…
皆さん、安心してください。時間が解決します。
当たり前かつ目新しいことは何もないアドバイスですが、本当にそうなんです。諦めずに続けていれば、自然と実力がついてきて、「先生」と呼ばれるに値する獣医師になっていきます。
そうすれば、1年目には「無茶ぶり」だったことが、ただの「お願い」に変わっていきます。
ちなみに1年目の私は、
- 「なんでできる・知ってると思って接してくるのかなぁ?」
- 「少し考えれば1年目が何もできないことくらいわかるだろ!」
と思っていました。
動物病院業界の悪い風習な気がしてしまいます。
ただでさえ精神的にも肉体的にも辛い1年目に、精神的な負担をさらに増やす要因になっているのではないかと。
医師の世界でも、研修医が看護師にキツく言われて辞めてしまったという事例は聞くので、動物病院に限った話ではないようですが…
獣医業界でも、研修医制度に近いものを作っていくことで、
- 離職率の低下
- 教育体制の充実
- 獣医療の発展
に繋がっていくのではないかと思っています。
ただの独り言ですが、
1つ1つの動物病院が教育制度を充実させるよりも、根本的な制度を変更しないと、とても人医療には追いつけないと思います。
話は逸れましたが、繰り返し1年目の先生に言っておきます。
「先生」と呼ばれてしんどいのは最初だけです。
絶対に時間が解決しますので、諦めずに続けましょう!
それではまたお会いしましょう!


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