見学に行く動物病院の探し方5選 ~若手獣医師向け働く動物病院の選び方 その3~

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前回までに、若手獣医師向け働く動物病院の選び方として、

  • その1 働く動物病院の絞り込み方
  • その2 動物病院向け求人サイト7選

についてお話ししました。


今回は、前回までの記事を踏まえて、

その3 見学に行く動物病院の探し方5選

についてお話ししたいと思います。

見学に行く動物病院の条件を決めた上で、

どんな情報をもとに選んでいくのか、一緒に考えていきましょう。

見学に行く動物病院の探し方

ご自身で絞り込みに使った条件をもとに、見学に行く動物病院を探す方法としては、

  1. 求人サイトを利用する
  2. 大学の先生・先輩から紹介してもらう
  3. 職場の同僚、獣医師仲間から紹介してもらう
  4. 学会・セミナーから就職に繋げる
  5. 自身で調べる

などがあります。1つずつみていきましょう。

見学に行く動物病院の探し方メリットデメリット
1. 求人サイトを利用する・数が多い
・検索が簡単
・客観的な情報が多い
・内部事情が分からない
・営業の電話が多い
2. 大学の先生・先輩から紹介・信頼性が高い
・選考が有利になる可能性あり
・就職を辞退しにくい
・条件に合う動物病院に見学できるとは限らない
3. 職場の同僚・獣医師仲間から紹介・信頼性が高い
・選考が有利になる可能性あり
・より詳細な内部事情を得られる
・就職を辞退しにくい
・条件に合う動物病院に見学できるとは限らない
・転職活動が知られる可能性がある
4. 学会・セミナーから見学に繋げる・専門分野に特化した動物病院が見つかる
・プロフェッショナルな人脈が築ける
・必ず求人があるとは限らない
・コミュニケーション能力が必要
5. 自身で調べる・匿名で自由に情報収集ができる
・多角的・タイムリーな情報を得られる
・情報が断片的

1. 求人サイトを利用する

前記事の通り、求人サイト、特に動物病院向け求人サイトを利用して探す方法です。

メリット

数が多い

利用するサイトによりますが、数が多いため比較検討をしやすいです。

検索が簡単

地域・給与・休日・家賃補助・賞与の有無・獣医師の人数・設備・通勤手段など

様々な条件で絞り込んで検索をかけることができます。

特に、地域にこだわりがない場合には、大変役立ちます。

例1:「地域にこだわりはないけど、CTがある病院がいいな」という場合に、地域をまたいで検索をかけることができます。

例2:「設備や人数にこだわりはないけど、休日は連休で、車通勤可能な動物病院がいいな」という場合にも、容易に検索できます。

客観的な情報が多い

求人サイトの検索項目に合うように条件を提示してくれいるため、客観的な情報が手に入ります。

各動物病院の特色も打ち出していますが、

基本的には同じ条件に関して、動物病院ごとに比較できます。

デメリット

内部事情がわからない

客観的な情報をもとに、条件を比較することは可能ですが、

動物病院内の雰囲気は分かりません

  • アットホームな職場と書いてあったが、院長家族が出入りしていて色々と口を出してくる
  • 看護師と獣医師の関係が悪く、会話がほとんどない

など、検索に引っかからない内部事情については、やはり実際に見学に行って確認すべきでしょう。

営業の連絡が多い

前記事でもお伝えしたとおり、求人サイトによっては営業の電話が頻繁にかかってくることもあります。

もちろん押し売りのように就職先を紹介してくることはありませんが、煩わしく思う方もいらっしゃるかもしれません。

2. 大学の先生・先輩から紹介してもらう(学生向け)

学生さん向けですが、大学の研究室の先生や、お世話になった先輩からご紹介いただくという方法もあります。

メリット

信頼性が高い

紹介いただくからには、先生も先輩もある程度しっかりした動物病院を選んでくださります。

そのため、信頼できる動物病院である場合が多いです。

選考が有利になる可能性あり

紹介された動物病院側としても、紹介の仕方次第ですが、採用を断りにくい可能性もあります。

お互いの希望にマッチするかで最終判断ですが、早く決めたいという場合には有利になるでしょう。

デメリット

就職を辞退しにくい

選考が有利になるということは、裏を返せば基本的に内定を貰えてしまうということになります。

紹介者のメンツを立てるためにも、動物病院側から採用の通知があった場合には、辞退しにくい状況になります。

贅沢な悩みですが、

なんとなく見学だけ行きたい、という場合には、よく考えてから相談しましょう。

条件に合う動物病院に見学できるとは限らない

絞り込み条件を提示したとしても、それら全てに合う動物病院を紹介いただけるとは限りません。

ある程度柔軟な姿勢で、見学に臨みましょう。

3. 職場の同僚、獣医療関係者から紹介してもらう(既卒者向け)

これは、すでに勤務している獣医師の皆さん向けの方法です。

同僚や知り合いに、良い就職先を紹介してもらいます。

メリット・デメリットは、前項目とほぼ同様ですので、追加のメリット・デメリットのみ書いておきます。

メリット

より詳細な内部事情を得られる

大学の先生・先輩よりも、実際に勤務しているスタッフの情報は格段に詳しく、信憑性も上がります。

得意分野や、学会発表など、獣医療的な活動については大学からでも認識できますが、

中のスタッフの中の良さ、職場の雰囲気、悪しき風習など、

実際に働かないとわからないことも多々あります。

それらを知れることは、大きなメリットです。

デメリット

転職活動が知られる可能性がある

自分の知り合いは、職場の上司や同僚の知り合いでもある場合があり、

人づてに転職活動中であることがバレてしまう可能性があります。

紹介者自体は秘密にしてくれていても、どこから話がいくか分かりません。

隠し通すというよりかは、バレる前提で転職活動を進めていくべきでしょう。

4. 学会・セミナーから就職に繋げる

学会・セミナーで直接講師の先生や、他病院のスタッフにアプローチをかけていく方法です。

結構勇気がいるかもしれませんが、上手くいけば就職につながることもあります。

また、就職につながらなかったとしても、人脈を増やすことができます。

学会では、1日目の終わりに懇親会がある場合も多いので、チャンスです。

メリット

専門分野に特化した動物病院が見つかる

講師の先生にアプローチをかける場合は特にそうですが、

プロフェッショナルである場合が多く、専門分野に特化した動物病院探しをする際には良い方法と言えるでしょう。

専門分野が決まっている先生方にとって、最も効率的な方法になると思います。

プロフェッショナルな人脈が築ける

プロフェッショナルにアプローチをかけることになるので、その分野の人脈を広げられる可能性があります。

今後のキャリアアップの一助となるでしょう。

デメリット

必ず求人があるとは限らない

セミナーの講師を務めている先生が在籍する動物病院は、有名である場合も多く、

就職氷河期にあっても、人員不足に悩んでいない場合もあります。

就職したいと言っても、その時に必ず求人があるとは限らないのでご注意を。

コミュニケーション能力が必要

全く知らない先生に話しかけるので、勇気だけでなくコミュニケーション能力も必要でしょう。

その場で内定をもらうのは無理だと思いますが、

見学の約束をしたり、連絡先を交換したりするところまで行けると、

最終的に就職につながるご縁となる場合もありますし、

そうでなくとも人脈を増やすことで、何かに役立つことがあります。

獣医師の世界は非常に狭い世界ですので、是非人脈は大切にしていきましょう。

5. 自身で調べる

ホームページやSNS、口コミサイトなどを駆使して、自分で情報を集める方法です。

絞り込み条件を検索ワードに入れて、当てはまる動物病院について情報を集めます。

この方法は、今までの探し方で目星をつけた動物病院に対して行うことで、

口コミはどうなのか、ブログは更新されているか、SNSは運用されているか

など、前もって情報を得ることができます。

単独で自身で調べて、見学まで行くということはあまりないのではないでしょうか?

どちらかというと、候補を絞った後に詳しく調べる手段であると考えています。

メリット

匿名で自由に情報収集ができる

人を介さないので、バレずに情報収集することが可能です。

今は情報社会ですので、インターネット上には様々な情報が溢れています。

最近では、生成AIを活用すれば、勝手に情報を持ってきてくれるので、時間短縮になるでしょう。

多角的・タイムリーな情報を得られる

ホームページだけでなく、SNSやブログ、口コミサイトなどから多くの情報を得られます。

また、

  • 現在どの程度SNSに力を入れているのか
  • 口コミの評価点は高いが、最近の口コミは低くなってきていないか
  • 逆に口コミの評価点は低いが、最近色々と変わってきて、口コミが上がってきていないか

など、タイムリーな情報収集にも繋がります。

デメリット

情報が断片的

自分で調べる情報には、限界があります

人から聞く情報に比べて、現場の臨場感に欠ける場合が多いと思います。

情報を鵜呑みにするのではなく、あくまで参考としましょう。

おすすめの動物病院の探し方

ここまで、見学に行く動物病院の探し方についてお伝えしてきました。

  1. 求人サイトを利用する
  2. 大学の先生・先輩から紹介してもらう
  3. 職場の同僚・獣医師仲間から紹介してもらう
  4. 学会・セミナーから就職に繋げる
  5. 自身で調べる

これらの中で、個人的なおすすめの探し方は、

大学の先生・先輩、職場の同僚・獣医師仲間から紹介してもらう

です。

今まで、獣医師の採用に関わらせていただく機会が多くありました。

採用する立場からすると、全然知らない人よりも、

ある程度人柄が分かっている方が採用しやすいと感じています。

正直、初めて会う人と2、3日過ごしてお話しをしただけでは、どんな性格なのかをすべて理解することは不可能です。

前職の動物病院では、人員不足の時期に採用した獣医師が、性格に問題がある方で、

スタッフに対して当たってしまったり、最後は飼い主に対しても当たってしまい、

大きな問題に発展しました。

採用する側としては、あまり辞めさせるということができない以上、慎重にならざるを得ません。

そのため、就職する側・採用する側にとって最も効率的なのが、紹介してもらうという方法です。

メリット・デメリットがそれぞれにあり、

また、複数の方法を組み合わせて探していく場合が多いですが、

参考になれば嬉しいです。

それではまた、お会いしましょう!

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