前記事で、
求職者目線で見る!動物病院見学で見るべきポイント12選
についてお話ししました。
本記事では反対に評価を受ける側から、お話ししていこうと思います。
見学に行く方々は、
- 見学とはいっても、緊張するなぁ
- 動物病院のスタッフに、どう見られているのかな?
- どんな服装で行けばいいのかな?
- 先輩は、見学中に内定をもらったと言っていたけど、そんな上手いこといくのかなぁ?
こういった不安を抱えている方も多いと思います。
本記事を読めば、
見学を成功させ、内定に繋げるための振る舞いが分かるようになります。
何度かお話ししている通り、今の動物病院業界の就活は、完全に売り手市場です。
要するに、動物病院に就職できないことはほとんどない、ということです。
しかし、”希望する”動物病院に就職できないということは、周りでも耳にします。
あなたが希望する動物病院は、他の人も希望する人気の動物病院
なんてことはザラで、みんな有名な動物病院で勉強したいんです。
(逆に言うと、小さな個人病院は採用活動ものすごく大変ですが…)
「求職者としてどう評価されるか」に焦点を当てて、しっかり見学に臨みましょう。
この記事を書いている私ですが、
- 自分が求職者だった頃にも、自分がどう見られているかに常に気を配って動物病院見学に臨んでいました。自分を上手く売り込むやり方については、かなり身についたと思います。
- また、採用担当になってから5年程度経ちましたが、自分が評価する側として、見学に来る求職者の色々な所作に目を向けるようになりました。
- また、見学に来る求職者について、スタッフ1人1人に印象を聞くようにしており、「スタッフはこういうところを見ているんだな」という新たな視点も生まれています。
このような求職者・評価者の両方の立場から、実際の体験をもとに、
動物病院見学で見学者が評価されるポイント3選
というテーマでお話しします。
動物病院の採用活動の概要
タイトルにもある通り、
見学は「面接」です。
見学の際に、院長や採用担当者と1対1になり、面接のような形をとる動物病院もありますが、
見学中は常に評価されています。
大企業であれば、
- エントリーシートによる書類選考
- 一次面接
- 二次面接
- 最終面接
- 内定
というように、面接の回数が多く、
評価項目を多数設けて、一律に評価している場合が多いです。
しかし、動物病院の場合は
- 見学 (兼 面接のことも)
- 面接
- 内定
というように、採用までのステップが非常に少ないです。
(採用担当者としては、売り手市場なのに判断材料も少なくて、勘弁してくれって感じですが。)
そのため採用担当者は、
- 履歴書
- 見学中の態度
- 面接
といった少ない材料から評価し、採用・不採用の判断をせざるを得ません。
そのため、見学中の態度は評価材料の中でも大きなウェイトを占めています。
求職者である皆さんからすれば、多くの病院から内定を貰っているに越したことはないですよね?
獣医師ではないですが、多くの企業から内定を頂いて、
「どこにすれば良いかわかんないよ」
とニヤニヤしながら言っていた同期もいました。
皆さんもニヤニヤできるように、本記事を読んで準備しましょう。
動物病院見学で見学者が評価されるポイント3選
【評価されるポイント1】「聞く姿勢」と「学ぶ意欲」
結局、これが1番大事だと思っています。
見学者は、動物病院のスタッフからすると、一緒に働く可能性がある人です。
獣医師・愛玩動物看護師・受付など、職種に関わらずコミュニケーションをとって仕事をしています。
聞く姿勢がしっかりしている人、学ぶ意欲がある人と仕事をしていると、とてもやりやすいと感じます。
是非意識してみてください。
具体的な評価ポイント
聞く姿勢
本当に基本的なことではありますが、
目をみる、相槌をうつ、頷きながら聞く、他のことに目移りしない、前のめりの姿勢で聞く
など、相手が話していて気持ちのいい態度を心がけましょう。
また、聞く姿勢は獣医師・愛玩動物看護師の両方に必須なスキルです。
飼い主の話を聞く時に、とても役に立ちますし、
人気のある獣医師は、話の上手い獣医師ではなく、聞くのが上手い獣医師の場合が多いです。
そういう意味でも、聞く姿勢はよく見られています。意識して臨みましょう。
書店に足を運ぶと、聞く姿勢だけで一冊の本になっていたりして、それが大ヒットしています。
それだけ人々が聞く姿勢を意識して観察しており、また聞く姿勢を身に付けたいと思っているのでしょう。
メモを取る姿勢
聞く姿勢の一部ですが、1つのポイントとして挙げさせてもらいました。
院長をはじめとして、スタッフの皆さんに「アピール」する方法として有効だと思います。
例えば獣医師の見学者であれば、労働環境に関する質問だけでなく、症例に関する質問も出てくると思います。
それに対して、先輩獣医師が色々と教えてくれている時に、メモを取らずに聞いていると、
「この人はあまりこの件について覚える気はないんだな…」
と感じられてしまいます。
メモを取ることだけが覚える手段ではないですし、しっかりと聞く姿勢を取っている人は、メモを取らなくても覚えることが出来ると思います。
ただ、タイトルにあるように、「見学は面接」です。
面接対策としてメモを取るのは、非常に効果的だと思います。
わかりやすく、「聞いてますよ!」「覚える気ありますよ!」とアピールできます。
これは院長だけでなく、全スタッフにわかりやすいアピールポイントです。
このポイントを落とすのは、得策ではないですよね?
是非メモ帳とペンを持って、見学にのぞんでください。
なお、スマホでメモを取る方がいますが、個人的には全然オッケーだと思います。
ただ、抵抗がある世代の方もおりますので、
一言断りを入れる、飼い主の前ではスマホは出さない、
などは意識しておいてください。
質問の量(+質)
質問も、結構見られているポイントです。
スタッフは仕事中です。見学者の対応をするという時点で、仕事が一つ増えています。
忙しそうな中質問するのは申し訳ない!と思われるかもしれませんが、意外とそうではなかったりします。
質問せずに立っていられると、何か話を振らなければと考えて、余計に集中力が削がれてしまいます。
質問する内容については、前記事
求職者目線で見る!動物病院見学で見るべきポイント12選
でも述べていますので、ある程度準備していくのが得策でしょう。
しかし、質問内容(質問の質)はなんでもいいと思っています。
例えば、
「この症例はどんな子なんですか?」
「今注射しているのはなんというお薬ですか?」
「(手術で)この血管はなんという血管ですか?」
などなど、その時行われている診察や処置、手術に関する質問をぶつけて行ってください。
それに対して基本的には答えてくれますし、忙しい時には「ちょっと待ってね」と言ってくれます。
是非積極的に質問していきましょう。
【評価されるポイント2】「コミュニケーション能力」
挨拶と笑顔
これはコミュニケーション以前の能力かもしれませんが、
挨拶で印象の半分以上は決まると思います。
訪問して最初の挨拶、
「おはようございます。本日見学させていただきます、〇〇です。よろしくお願いします。」
内容はシンプルで良いと思いますが、
とにかく明るく、笑顔で、ハキハキと!
あまり説明はいらないですよね。
ファーストインプレッションで一歩前へ出ましょう。
質問以外のコミュニケーション
「雑談力」です。
これは結構難しいかもしれません。
雰囲気や関係性が良い動物病院では、スタッフから話しかけてくれると思います。
ただ、動物病院の規模が大きくなればなるほど、休憩中そんなに会話が無いなんてことも多いですね。
とにかく、目についた人に話しかけてみましょう。
スマホの裏についているキャラクターの話題を振ってみる、
午前中に来た症例の話題を振ってみる、
休日の話題を振ってみる、
など、自分から話をする姿勢があると、好印象です。
ただし、個人的にこれは必須条件ではないと思っています。
休憩室で黙っているから採用しないなんてことは今までありませんでした。
あくまで、あなたの人柄を見る1つの手がかりとして、見られていると思ってください。
【評価されるポイント3】「身だしなみ」
外見
外見といっても、顔が良い悪いのことではもちろんありません。
重要なのは、清潔感・衛生面・機能性です。
清潔感は、服装・靴・髪型などです。
見学に来る道中の服装については、特にスーツである必要はないですが、あまりラフすぎる格好も良くありません。
明確な基準はありませんが、いわゆるスマートカジュアルといった感じでしょうか。皆さんが持っている服の中で、地味めな服を選んでおけば失敗はないと思います。また、シワがあるのも良くないので、整った服で向かいましょう。
靴も同様です。あまりに汚くなければなんでも良いと思います。
髪型は、学生であればある程度許容される場合もありますし、
また動物病院によって髪型や髪色に関する基準は違うと思います。
今はだんだんと緩くなってきていますので、そこまで気にする必要はないと思いますが、
せめて寝癖は直してから向かいましょう。
衛生面は、正直ハラスメントになりかねないのであまり言えないです…
ただ、1つ確実なのは、動物を扱う業務の性質上、勤務中はアクセサリーを外す場合が多いです。
そのため、指輪・ネックレス・ピアス・ブレスレットなどは、見学の日は外して向かった方がいいと思います。
また、香水の類も、動物のことを考えた時にあまり適していないと判断される場合が多いので控えましょう。
機能性とは、診療の妨げにならない、また動きやすい服装で見学に臨むということです。
普段の実習や勤務で使用しているスクラブ・ケーシー・白衣など、動きやすく獣医療に適した服装で臨みましょう。
まとめ:あなたの熱意は、見学で伝えられる
最近は売り手市場のため、見学に来る人の態度も変わってきているように感じます。
学生の中には、単位取得のために見学実習が必要な場合もあり、
そういう学生の中にはどうしようもない態度で臨む人も、以前からいました。
しかし、最近は自分の意思で見学に来る学生も、緊張感が薄い場合が結構多い気がします。
もちろん、「この病院で働くことはないな」と、見学の途中で感じてしまう場合もあると思います。
ある意味それを態度で示してくれるのはありがたい面もあります。
しかし、お互いに時間をかけて向き合っている、貴重な機会なので、せっかくなら「ありがとうございました!」と笑顔で終われた方が良いですよね?
重ねてお伝えしますが、見学は面接です。
その意識を持って、できるだけ多くの病院から、あなたという人材が欲しいと思わせるような見学態度を目指しましょう。
この記事が、皆さんの就職に少しでも役立つことを願っています。
それではまたお会いしましょう!


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